
若い社員も、高齢の社員も、
皆が楽しく安心して働ける環境を整えたい
岡野 薫
夫が経営する自動車部品関係の会社の取引先が、運送業者を探していたことがきっかけで、1994年に鴻巣アドバンスを設立。女性社長ならではのきめ細かさを活かし、社員が安心して勤め続けられる会社づくりに取り組んでいる。
社員皆が家族のような、アットホームな会社
当社は、私が28歳のときに設立しました。夫が自動車部品関連の仕事をしていたのですが、取引先から「運送業はやらないの?」と言われ、私もトラックを運転してみたかったので、「それならやってみようか」ということでスタートしました。
ですから、もともと運送業をやっていた会社とは、職場の雰囲気もだいぶ違うと思います。ひと言で言えば、アットホームというのでしょうか。皆がひとつの家族のような感じで、20年、30年勤めて続けている社員も大勢います。
設立当初は7台のトラックから始めた当社でしたが、今は40台近いトラックを持つ会社に成長しました。周囲の人々に恵まれ、取引先にも恵まれて、とんとん拍子にここまできたという感じです。大手上場企業の一次請けの仕事が多いため、経営的にも安定しています。
開業時から一緒に仕事をしてくれているのが、運送部の小山統括部長です。会社のことをすべてわかってくれていて、当社には欠かすことのできないコアメンバーです。
昨年は食品運送会社と合併し、食品部門の大野統括も当社に加わって、がんばってくれています。二人が中心となって、それぞれの部門の社員をしっかりと見てくれている形ですね。
さまざまな業種の運送を行うことで、安定的に経営
トラックは現在2トン車から大型の13トン車まであり、ユニック付きのトラックもあります。扱っている運搬物の種類もさまざまです。設立時点は自動車部品の運送が主で、いすず自動車や日産ディーゼル、ホンダなどから仕事を受注していました。
現在はそれに加え、住宅資材や食品、業務用冷凍冷蔵庫、厨房機器、その他一般物の運送も行っています。積水ハウスの床材に関しては、関東工場の製品はほぼすべて当社が運んでいます。
このようにさまざまな分野の運送を行うようになったのは、やはり会社を安定して経営していくためです。
昨今は地震やコロナ禍など、予想もしなかったような出来事が立て続けに起きていて、いつ何が起きるのかまったくわかりません。一業種の運送業務をやっているだけでは、突然ストップがかかる可能性もあるため、会社の経営も安定しませんし、社員の生活を守ることもできません。
当社はせっかく入社してくれた社員には、できるだけ長く勤めていただきたいし、そのために会社としてできるだけのことをしたいと思っています。
仕事はがんばって働き、オフタイムは楽しく過ごす
当社の従業員は皆とても仲が良くて、「仕事はそれなりに大変だけれど、オフは楽しく過ごそう」という考え方で働いています。社員の中には、ひとり暮らしの人もいますが、皆家族のように楽しくやっています。
ここ2年ぐらいはコロナ禍でなかなか行けませんが、それまでは皆で頻繁にレクリエーションを楽しんでいました。
鴻巣市では毎年大きな花火大会をやるのですが、当社も第1回目から協賛していて、従業員とその家族を連れて皆で出かけます。
ボーリング大会やカラオケ大会もやりますし、夏はキャンプ、冬はスキーにも行きます。毎年12月29日から30日の2日間は、50人乗りの大型バスを借りて、慰安旅行にも出かけます。
また、会社で東京ドームと浦和レッズの年間シートを持っているので、社員を連れて野球やサッカーの観戦に行くことも多いですね。他にも社員から「こういうことがやりたい」と言ってもらえれば、会社として応援しますよ。
まずはお試しでトラックに乗ってみて、できそうなら社員に
入社にあたっては、年齢も性別も前職も、あまりこだわりません。実際、現在60代で働いてくれているドライバーさんも、30代後半~40代のときに未経験で入社しました。
誰でも最初は、「本当にトラックの運転なんて、できるだろうか?」と心配だと思います。そのため、当社では1週間ほどお試しの期間を設けています。
実際にトラックに乗ってみて、「これならできそうだ」と思えば、社員になればいいでしょう。「ちょっと難しい」と思えば、そこで辞めてもぜんぜん問題ありません。会社にとってもその方がいいですし、まずは気軽にトライしてみてはいかがでしょうか?